右写真は、クマガイソウ自生地の株元の地表から採取したラン菌(木材腐朽菌)。
特殊な培養基でどうにか培養にこぎつけた。
この菌は木材腐朽菌である。

下の写真は、シンビジューム 親株種子発芽に成功したペレポスト2号ゴールドに
生息しているラン菌である。

この培養から見えてきた微生物生態系があり、自生地におけるラン科植物の
ラン菌との共生による無胚乳種子の発芽条件があることが解ったので記す。

ラン科植物の無胚乳種子は、発芽ステージでは「絶対的菌従属」である。
この菌は、発芽するためのエネルギーを作る菌でなければならない。
又は供給出来るきんでなければならない。
更に、意表に落下した種子のエリアは、常に空中常在微生物の胞子が落下している。
このことは、常に種子は微生物に汚染される危険に曝されている。
このため、ラン種子の種皮は、微生物によって容易に分解されない「リグニン」で出来ている。
このリグニンを分解できる菌は、地球上では「白色木材腐朽菌」のみだからである。
他の菌ではこの種皮を分解することが出来ない。
塩酸でも、苛性ソーダーでも・・容易にできない「鎧」である。

ラン自生地における「菌社会」。
これまで、根から共生菌である「菌根菌」を観察してきた。
その観察から共生菌が語られてきた。
今回のラン菌採取は、自生株土壌の表層から得たラン菌である。
木材腐朽菌は好気性菌である。地表近くの酸素のある場所で生息している。

この地表の土壌を培養した結果、木材腐朽菌の中で「ラン菌」になりうる菌の条件が
あることが考察された。
  1 多くの植物と共生できること。
  2 ラン種子の種皮を分解できる「白色木材腐朽菌」であること。
  3 枯れ落ち葉、植物死骸を分解して「ブドウ糖」を産生できる菌であること。
  4 菌糸がブドウ糖を根に供給できる能力を具備している菌であること。
  5 地表に於いて他の微生物を駆逐しエリアを支配する強力な抗菌性と拮抗作用を
    具備していること。
  6 優れた物質分解能力を具備し、植物老廃物を分解し、永年にわたってエリアを浄化する能力を
    持っていること。
  7 ある種の菌とはエリア内で共生して生息できること。

 以上のような条件が必要なことが、この培養成功で明らかになった。

 クマガイソウ土壌、シンビジューム発芽土壌の培養に共通していることは、
 土壌表層に多くの微生物が生息していると考えられてきたが、
 実際に培養した結果、非常に微生物の種類が少なく、1から3種程度の菌が
 コロニー形成したに過ぎない。
 この状態は、複数回培養しても、ほとんど同じ結果であった。
 右写真では、繁殖した菌は「アオカビ」「ラン菌」の2種類である。
 しかも、培養中にラン菌がアオカビを抗菌作用で死滅させ、
 アオカビが占有していたエリアにラン菌が繁殖し、培養基の全エリアをラン菌が占有した。
 
 ランの微細な種子が空中を浮遊落下する場所は地表である。
 発芽に関係する菌は、地表に生息する好気性菌である。
 多様な微生物が生息できるエリアである。
 しかし、ラン菌が生息するエリアでは、ラン菌(木材腐朽菌)の強い抗菌作用によって、
 ほとんどの菌が駆逐、阻止、殺菌されて、ラン菌と共生できる菌のみ生息している
 エリアになっている。
 これまで、菌根菌について「抗菌作用」「拮抗作用」がクローズアップされたことはない。
 自生地では、ランの種子は、空中常在微生物の胞子と同じように浮遊し、
 地表に落下する。微生物の胞子はいち早く発芽し優占菌を目指して競争する。
 こういう場所で、種子が活動を始め、プロトコームを形成するまで30から60日を要する。
 こういう超スローな速度では、何等かのシステムがリアに構築されていなければ、
 到底微生物から勝つことはできない。
 ラン科植物がラン菌と共生した大きな理由が、ラン菌の持つ強力な「抗菌力」である。
 培養基での観察では、ほとんどの微生物のコロニーが形成する「阻止円」を越える能力を持つ。


 このことをランの種子から見れば・・・願ってもない菌であり環境である。
 地球の地表のあらゆるところ(植物が自生している)に生息している
 している菌は、細菌では「枯草菌」(納豆菌)、アオカビ菌である。
 クロカビ菌、植物乳酸菌、植物酵母菌・・・などの好気性菌などである。
 こういう菌が支配しているエリアに落下したランの種子は・・・
 発芽することはできない。
 発芽に必要なエネルギーのブドウ糖を枯れ葉から産生できない菌だから、
 無胚乳種子は・・・エネルギー調達できないまま死滅するしかない。
 しかし、木材腐朽菌が棲息していれば、上記の菌のほとんどは、木材腐朽菌の
 抗菌作用によって駆逐され、浄化された土壌表層である。
 超スローモーな生長のランが、他の菌に犯されない条件は、
 自然界では、ラン菌になれる木材腐朽菌が優占菌となっている場所である。
 
 木材腐朽菌にはおそらく何10万種類のあると思われるが、現在学名が作られている菌は、
 約6000種ほどである。
 この菌のごく一部の木材腐朽菌が、上記のラン菌になれる条件を具備している。
 ほとんどの木材腐朽菌は、ラン菌になれる条件を満たしていない。
 例えば、ナメコ、シイタケ、ヒラタケ、マイタケ・・・では、
 ランは発芽していない・・・・。
 そういうことで、山を見ても・・・一部のエリアがラン菌が優占しているエリアである。
 山全体に・・・ランが自生していないのは、この理由であろう。

 他の微生物に対して強い抗菌作用を持つということh、
 別な見方をすれば、病害菌に対しても強い抗菌性を持っているということである。
 宇井 清太がペレポストでシンビジュームの地植え栽培で、無農薬栽培を行っているが、
 株腐れ病、炭疽病が発生しないのは、ハウスの地面をラン菌が優占し支配しているからである。
 病害菌が生息繁殖できない状態になっていると考えられる。
 この地面の土壌培養では、木材腐朽菌、アオカビのみコロニーが出来た。
 他の菌は皆無である。
 枯草菌も見られなかった。
 これは、木材腐朽菌が植物が産生する「老老廃物質」も分解して、
 正常なエリアを作っていると考えられる。
 木材腐朽菌は「ダイオキシン」をも分解できるからである。
 
 ランは、木材腐朽菌と共生することで、病害菌を阻止して、
 自身が産生る老廃物質も分解してもらい、同じ場所で永年生き続けられる・・・
 究極の生態系を得ることが出来た。
 このことは、他の多くの植物も同じである。
 ランの自生地というのは、ランのみ生息しているエリアではない。
 多くの植物と共にランは生きている。
 着生ランであっても、同じ枝に、幹に多くの植物が自生している。
 ということは、多くの植物もラン菌(木材腐朽菌)と共生又は同居、庇護の下で生きている。
 この場合、木材腐朽菌の抗菌作用を無毒化できる菌が、同じエリアで生きることが出来る。
 菌ネットワークが構築されている。
 木材腐朽菌と共生する「菌従属菌」である。
 ランは木材腐朽菌と共生しながら、この「菌従属菌」とも共同生活することになる。
 これには、ランの自生地で見られる一部の「地衣類」も含まれる。
 これまで、ラン菌(木材腐朽菌)抗菌作用と、
 無胚乳種子、超スローも生育植物との関係を考察したものはない。
 ランが木材腐朽菌と共生した謎の一つに他の菌を阻害する抗菌作用利用があった。
 ラン科植物は最も進化した植物と言われるのは、
 花と昆虫のことのように思われてきたが・・・
 無胚乳種子と木材腐朽菌の抗菌作用の関係にも見ることが出来る。

 以上のことから、木材腐朽菌の抗菌作用を用いて、
 「完全無農薬栽培」用の資材を作ることに成功した。
 SmartMax クチクラ ガード液。   参照。
 SmartMax クチクラ ガード液は、ラン栽培に使用すれば「完全無農薬栽培」が可能である。
 土壌に施与、葉面散布で・・・出来る。
 鉢内に木材腐朽菌を生息させ、同時にケイ酸を給させることで、ガラス化細胞クチクラ層を造れるからである。
 同時に「体内免疫システム」を強化できる。
 つまり、自然界の病害菌対策システムを、人間が再現できる世界初の「自生地再現植物活力剤」である。
 2017年12月頃から国内販売開始。
 世界販売は2018年春ごろからの予定。
 世界の農業を「無農薬栽培」に代える・・・革命的なものが開発できた。
 畑の地表に木材腐朽菌を生息させることで、シンビの地植え栽培のように、
 「完全無農薬栽培」が、イチゴ、トマト、キュウリ、ナス、ピーマン、葉物野菜で成功した。
 新しい発想の・・・農作物栽培技術の創出である。
 化学農薬での病害対策は・・・限界である。
 使えば使うほど「耐性菌」を作る。

しかし、ランとラン菌の共生関係の基本は以上のようなことで説明できるが、
ランの進化は多様であり、自生地の生態系も多様である。
共生関係も「複雑系」である。
全てのラン科植物の共生菌を探索するのは・・・不可能かもしれない。
上記の試験は・・・共生関係の「片鱗」を見たに過ぎないかもしれない・・。
ランと女は・・・神秘だから・・・イイ。
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kouza 6aga







































































































































































































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